一言でまとめると
不思議な世界観の曲といろいろと考えてしまう歌詞
はじめに
「お気に入りの曲紹介」では、あまり日の目を見ないけど、僕は好きな曲を取り上げることが多い気がしているのですが、今回もおそらくそれに当たる曲です。
日本のロックバンド『THE YELLOW MONKEY』(通称イエモン)の楽曲です。
ヒットソングをいくつも持つ彼らの曲はロックと歌謡曲をベースにしつつ、独特な妖しい雰囲気を持つものが多いです。
今回紹介する曲は、妖しさが特に目立つものです。
楽曲の紹介
1997年に発売されたシングル『LOVE LOVE SHOW』に収録されている、いわゆるB面曲です。
97年というと、イエモン史上最高傑作のアルバムと言われている『SICKS』のリリース、アリーナツアーやスタジアムツアー開催など、人気絶頂期の頃でした。
そんな絶頂期の中で発表されたシングル『LOVE LOVE SHOW』はポップスを意識したのりやすい楽曲です。
それに対して『NAI』は独特な世界観を前面に出したマニアックな曲です。
バラードではないけれど、テンポ的に落ち着いていて、ゆったりと聴く系統の曲。
ギターのアルペジオなどのフレーズで曲を展開させていき、サビが終わった後にラウドになり、また落ち着く展開…。
という形で曲が進行していきます。
そして、最後は何かが破裂する音で曲は終わります。
何がいいと思ったのか?
奥が深い歌詞とそれを表現する歌。
THE YELLOW MONKEYの魅力で、歌詞が非常に良いということもよく挙げられます。
著作権の関係で歌詞を掲載することは出来ないのですが、歌詞を見ながら曲を聴いてみて欲しいです。
歌詞の最後の方はずっと「ない」が続いていて、歌詞サイトを見るとちょっとしたブラクラを踏んだ気になってしまったり、ゲシュタルト崩壊してしまうくらい不気味なのですが、特に曲の前半は平和な日常が描かれれていると僕は思います。
この曲の歌詞は生殖器を持たない男女の恋を描いているとネット上では見かけます。
メンバー発言のソースは無く、真偽は定かではないのですが、そう見ることも出来るかなとも思います。
たど、個人的には死ぬ直前の走馬灯なんじゃないかと判断しています。
歌詞は大雑把に分けると、
- 二人は愛し合っていて幸せなのに疑問を抱くこと
- 自分が消えてしまうかもしれないこと
となり、この部分が僕としては「自分が死ぬと気付いていない人が、一番幸せだった時の記憶を蘇らせている」と思えてしまいます。
(死に近づいて、最後の「ない」連発のところで本当に危なくなり、最後の破裂音で死ぬ…と捉えています)
僕が漫画とかアニメが好きで、そういう描写をよく見るからそう感じるのだと思います。
作詞した吉井さんの本心はおそらく違うのでしょうが、こういう想像の余地がある歌詞を描くことが吉井さんは非常に巧いですね。
まとめ
THE YELLOW MONKEYが1997年に発表したNAI。
実は本曲は2004年に解散した後にメンバー4人が選曲して発売したベストアルバムの1曲目となっています。
ヒットシングルやライブの人気曲などではなく、この曲が1曲目となっていることがまた何か深い意味があるのでは?と思わせますね。
※調べた限りでは、解散前は本曲発表直後のツアーでしか演奏されていないです。
非常に不思議な世界観を持った曲調、歌詞は必聴です。